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2026.02.05
15:20

店舗の解体費用はいくら?相場・総額目安・内訳・安くするコツまで完全ガイド

閉店や移転、業態変更で避けて通れないのが「店舗の解体(内装解体・原状回復・スケルトン工事)」です。

ただし、解体費用はネットで見かける「坪単価○万円」だけでは判断できません。

なぜなら、同じ30坪でも「どこまで撤去するか」「厨房やダクトがあるか」「夜間作業が必要か」などで、総額が数十万円〜数百万円単位で変わるからです。

この記事では、店舗の解体についてで知りたい情報を、詳しく解説していきます。

なお、相場はあくまで目安です。最終金額は現場条件と見積書の範囲定義で確定します。

焦らず、契約書・管理会社の指定・相見積もりで「条件を揃える」ことが一番の近道です。 

目次

店舗解体の費用相場は3種類で決まる(原状回復・内装解体・スケルトン)

店舗解体といっても、工事は大きく「原状回復」「内装解体」「スケルトン解体」の3種類に分かれます。

ここを取り違えると、相場の比較ができず「思ったより高い/安すぎて不安」など判断がブレます。

一般的な目安として、原状回復は1.5万〜2.5万円/坪、内装解体は1.5万〜4万円/坪、スケルトン解体は3万〜5万円/坪と紹介されています。

まずは自分の店舗がどれに当たるかを確定させましょう。

原状回復の費用目安(総額):10坪〜50坪で「15万〜125万円程度」

原状回復は「契約時点の状態に戻す」工事です。退去時に最も難しいのは“原状”の定義が物件ごとに違う点です。

例えば入居時にエアコンが付いていたか、床材は誰の資産か、間仕切りは残すのか撤去するのか――この認識がズレると追加工事になりやすいので、工事前に管理会社と文章で範囲を確定させるのが重要です。

坪単価目安は1.5万〜2.5万円/坪とされます。

概算の総額目安は以下です(あくまで一般的な目安)。

  • 10坪:15万〜25万円程度
  • 20坪:30万〜50万円程度
  • 30坪:45万〜75万円程度
  • 50坪:75万〜125万円程度

このレンジから外れる代表例は「貸主指定で“想定より撤去範囲が広い”」「設備撤去が多い」「工期がタイトで夜間作業」などです。

原状回復は“安く見えやすい”分、範囲の詰めが甘いと逆に高くなります。

内装解体の費用目安(総額):10坪〜50坪で「15万〜200万円程度」

内装解体は、床・壁・天井などを一部残しながら、カウンターや造作、間仕切りなど“不要な部分”だけを撤去する工事です。

撤去範囲を絞れるぶん、スケルトンより安くなりやすい一方で、飲食店など設備が多い業態は上振れしやすいのが特徴です。

坪単価は1.5万〜4万円/坪が目安とされ、飲食店の内装解体も1.5万〜4万円/坪、美容・エステやオフィスは1.5万〜3万円/坪などの整理も見られます。

概算の総額目安は以下です。

  • 10坪:15万〜40万円程度
  • 20坪:30万〜80万円程度
  • 30坪:45万〜120万円程度
  • 50坪:75万〜200万円程度

内装解体は「どこを残すか」を決められるケースがあるため、管理会社・貸主と相談して撤去範囲を最適化できると、費用を大きく抑えられる可能性があります(契約条件でスケルトン必須の場合は除く)。

スケルトン解体の費用目安(総額):10坪〜50坪で「30万〜250万円程度」+条件で大きく上振れ

スケルトン解体は、内装・設備を撤去して躯体(コンクリート打ちっぱなしに近い状態)まで戻す工事で、退去条件が「スケルトン返し」の場合は基本的に避けられません。

相場は3万〜5万円/坪が目安とされています。

概算の総額目安は以下です。

  • 10坪:30万〜50万円程度
  • 20坪:60万〜100万円程度
  • 30坪:90万〜150万円程度
  • 50坪:150万〜250万円程度

ただしスケルトンは、飲食店等(厨房土間、ダクト、外装撤去追加など)で作業量が増えると費用が上がることもあります。

店舗解体費用の内訳|見積書で増減しやすい項目を先に知っておく

解体の費用は「解体作業代」だけではありません。

実際の見積書には、廃棄物処理、付帯工事、家具什器の処分、家電リサイクル、諸経費、申請費用などが入り、ここで金額が動きます。

特に廃棄物処理費は大きくなりやすく、場合によっては“全体の4割程度を占める項目”となることもあります。

解体費(撤去・解体そのもの):撤去範囲が広いほど費用が上がる

解体費は、壁・床・天井・造作・設備などを取り壊す作業費です。

ここは最も分かりやすい部分である一方、業者ごとに「㎡表記/坪表記」「一式計上/明細計上」の違いがあり、比較が難しい部分でもあります。

見積比較のコツは、単価だけを見るのではなく、撤去範囲(どこまで壊すか)が一致しているかを先に確認することです。

範囲がズレたまま価格だけ比較すると、安い見積に見えても後で追加になりやすいです。

廃棄物処理費(産業廃棄物):店舗は“事業ごみ”扱いで高くなりやすい

店舗の解体で出る廃材・不要物の多くは産業廃棄物として処理されます。

家庭ごみと違い、分別・運搬・処分のコストが積み上がるため、残置物(家具什器・在庫・機器)が多いほど高くなります。

費用を抑えるなら、後述する「不用品を事前に処分する」「買取に出す」が効きます。

付帯工事・申請・諸経費:見落としがちな「追加」

解体には、

  • 看板撤去
  • 外部照明撤去
  • 養生、
  • 重機回送
  • 道路使用許可
  • アスベスト関連の届出

など、現場条件に応じた付帯項目が発生します。

内装解体・原状回復の費用内訳でも「付帯工事」「申請費用」「諸費用」が項目として挙げられます。

特にテナントビルでは、共用部の養生仕様や搬出ルール、作業時間帯が指定されることがあり、ここが人件費・工期に跳ね返って金額が膨らむことがあります。

店舗解体費用が高くなる条件|見積前に上振れ要因を潰す

相場通りに収まる店舗もあれば、同じ坪数でも大きく上振れする店舗もあります。

上振れの代表要因として

  • 「重機が入れない」
  • 「早朝・夜間作業が必要」
  • 「アスベスト」
  • 「残置物が多い」
  • 「配管や内装が複雑」

などが挙げられています。

立地・搬出条件(狭い、階段、駐車場なし):人手と工期が増えて上がる

解体は重機で効率的に進められると費用が安定しますが、

  • 狭小で重機が入らない
  • 搬出経路が長い
  • エレベーターがない

などの条件があると手作業が増え、人件費・工期が伸びやすくなります。

これらは最も追加費用が発生しやすいケースです。

時間帯制限(夜間・早朝のみ):割増になりやすい

テナントビルでは、他店舗への影響を避けるため作業時間が制限されることがあります。

日中作業ができず、夜間・早朝対応になると人件費が上がり、結果として見積が上振れしやすいです。

可能なら、退去が決まった段階で早めに管理会社へ相談し、作業時間の条件を先に把握しておきましょう。

飲食・美容など設備が多い業態:撤去物が多いほど高い(スケルトンは要注意)

飲食店は厨房機器、排気ダクト、土間、グリストラップ等が絡みやすく、撤去範囲が増えるほど費用が上がります。

実際に20坪飲食店のスケルトン解体で約148万円のケースもあり、単純な坪単価概算より上振れし得ることが分かります。

店舗解体費用を安くするコツ:現実的に効く7つの方法

解体費用は「値引き交渉」だけで下げるより、撤去範囲や廃棄物量を減らして“構造的に安くする”のが王道です

費用を抑えるポイントとして

  • 「解体範囲を減らせないか貸主と相談」
  • 「複数社見積」
  • 「不用品を自分で処分」
  • 「造作譲渡の検討」

などが挙げられています。

1)撤去範囲を最適化:残せるものがあるなら残す

内装解体で済むのに、思い込みでスケルトンにしてしまうと費用は大きく変わります。

契約書の返却条件と貸主・管理会社の指定を確認し、可能なら「残す部分」を交渉しましょう。

次テナントが同業態なら設備流用の可能性もあり、撤去範囲の縮小が直接コスト削減になります。

2)不用品・残置物を先に処分:産廃処理費を減らす

  • 什器
  • 備品
  • 在庫
  • 家電

などを残したまま工事に入ると、処分費が積み上がりやすいです。

先に処分・売却・買取に出すことで、産廃処理費を圧縮できます。

内装解体・原状回復の内訳の多くで「什器・備品の処分費」「家電リサイクルの処分費」が項目として挙げられています。

3)相見積は最低3社:金額より範囲の一致を確認して比較する

相見積もりは、単純な価格競争というより「見積条件のズレ」を発見するために有効です。

比較するときは、以下を揃えると失敗しにくいです。

  • 解体範囲(どこまで撤去するか)
  • 産廃処理の範囲(残置物を含むか)
  • 養生仕様、作業時間帯、搬出ルール
  • 追加費用が発生する条件(文章で明記されているか)

4)スケジュールに余裕を持つ:夜間対応・特急は高くなりやすい

退去期限ギリギリだと、夜間作業や短納期対応になり、費用が上がる可能性があります。

追加費用が発生しやすいケースとしても「夜間・早朝作業」が挙げられています。

早めに動くほど、条件調整や業者選定の余地が増え、結果的に総額を抑えやすくなるでしょう。

よくある質問

Q. 20坪の店舗解体は結局いくら?

工事種類で大きく変わります。

原状回復なら30万〜50万円程度、内装解体なら30万〜80万円程度、スケルトン解体なら概算で60万〜100万円程度が一つの目安です。

ただし飲食店等(厨房土間、ダクト、外装撤去追加など)で作業量が増えると費用が上がることもあります。

Q. 見積が安すぎる業者は大丈夫?

相場より極端に安い場合、追加請求や工事品質、廃棄物処理の適正さなどを慎重に確認すべきです。

費用の安さだけで業者を選ばず、最低限、産廃処理の範囲と追加費用条件が明記されているかをチェックしましょう。

Q. 見積比較で一番大事なことは?

「坪単価」ではなく、解体範囲が同じかです。

範囲が違う見積は価格比較が成立しません。管理会社・貸主指定の範囲を文章にして、それを各社に同条件で渡すと比較が一気に簡単になります。

まとめ|店舗解体費用は「種類・坪数・条件」で決まる

店舗解体費用は、原状回復・内装解体・スケルトン解体のどれかで相場が変わり、さらに厨房設備、搬出条件、作業時間帯、残置物の量で上振れします。

目安として、原状回復は1.5万〜2.5万円/坪、内装解体は1.5万〜4万円/坪、スケルトン解体は3万〜5万円/坪が相場とされています。

スケジュールに余裕を持って解体範囲を明確にし、複数の業者から見積もりをとりましょう。

【監修者】松岡 祐希

株式会社オールメイク代表。

兵庫県を中心に全国各地の美容室・サロン・飲食店・病院・オフィス・クリニックなど店舗の内装工事をしています。 自社でも運営してる美容サロンなどもあるので、配置含めて設計図のパズルは得意になります。