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2026.08.10
09:10

カフェのキッチン内装|配置3パターンと費用相場を解説

「カフェを開業したいけれど、キッチンの内装をどう決めればいいのか分からない」「厨房を広くすると客席が足りなくなりそうで不安」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。

カフェのキッチン内装は、見た目よりも先に「提供メニュー」「動線」「保健所の施設基準」の3点から組み立てることで、開業後の使いにくさや工事のやり直しを防げます。

本記事では、配置3パターンの選び方、通路幅や作業台の寸法、費用相場と内訳、保健所の許可条件、業者への依頼手順までを順に解説します。物件が決まった段階の方も、これから探す方もぜひ参考にしてください。

目次

カフェのキッチン内装で最初に決めること

キッチンの内装は、見た目より先に決めるべきことがあります。ここでは提供メニュー・営業人数・面積配分という3つの前提を、順に固めていきましょう。

ポイント
  • 提供メニューと調理工程を先に確定させる
  • ワンオペか複数人かで必要な作業幅が変わる
  • 客席とキッチンの面積配分を設計前に決める

提供メニューから必要な設備を洗い出す

キッチン内装の出発点は、デザインではなく提供するメニューの調理工程です。必要な機器が決まらないと、電気容量もガス配管も排水位置も確定しません。

たとえばドリップコーヒーとトーストだけなら、IH調理器とトースター、小型冷蔵庫で足ります。一方でパスタやスパイスカレーを出す場合は、ガスコンロ・冷凍庫・大型の作業台が必要になり、必要面積は倍近くまで広がります。

メニュー表を先に書き出し、1品ごとに「使う機器」「調理時間」「同時に何品まで作るか」を整理しておきましょう。この作業を飛ばすと、工事後に機器が入らないという事態を招きます。

ワンオペか複数人かで作業幅を決める

営業スタイルによって、キッチンに必要な幅は大きく変わります。1人で回すなら移動距離を最短にした狭い動線が有利ですが、2人以上ならすれ違えるスペースが欠かせません。

夫婦2人で運営するカフェを例に挙げると、一方が調理、もう一方がドリンクとホールを担当するケースが一般的です。互いの動線が交差しないよう調理側とドリンク側を左右に分け、中央に共用の冷蔵庫と受け渡しカウンターを置く配置が現実的といえます。

将来的にスタッフを雇う予定があるなら、開業時点から2人分の動線を確保しておくと改装費を抑えられます。

客席とキッチンの面積配分を先に決める

キッチンを広げれば作業は楽になりますが、その分だけ客席が減り、売上の上限も下がります。逆に席を詰め込みすぎると、ピーク時に提供が追いつきません。

カフェでは店舗全体の20〜30%程度をキッチンに充てるのが一つの目安です。10坪の店舗なら2〜3坪がキッチン、残りが客席とバックヤードという配分になります。

客席側の目安は1坪あたり1.5〜2席です。10坪の店舗でキッチンに3坪を充てるなら、残り7坪で10〜14席という計算になります。ゆったり滞在してもらう業態なら1.5席寄り、回転を重視するなら2席寄りで設計しましょう。

ドリンク中心で回転を重視するなら客席を厚めに、フードを充実させるならキッチンを厚めに振り分けます。この配分を決めずに図面を引き始めると、後から必ずどちらかを削ることになります。

カフェキッチンの配置3パターンと選び方

キッチンの配置は、いくつかの基本パターンから選ぶと迷いません。ここでは代表的な3つの型を、適した広さや人数とあわせて見ていきます。

結論

カフェのキッチン配置は「直線型」「L字型」「アイランド型」の3つが基本です。坪数と営業人数から逆算して選ぶと、無理のないレイアウトに落ち着きます。

配置パターン適した広さ想定人数特徴
直線型5〜8坪1人省スペースで移動距離が最短
L字型8〜12坪1〜2人調理とドリンクを分けやすい
アイランド型12坪以上2人以上複数人が同時に作業できる

直線型はワンオペの小規模カフェ向き

直線型は、シンク・作業台・加熱機器を壁面に一列で並べる配置です。奥行きが浅い物件でも成立するため、5〜8坪の小さなカフェで多く採用されています。

移動が左右のみで完結するので、1人営業でも体の向きを変えずに作業を続けられます。テイクアウト比率が高い店舗とも相性が良好です。

ただし作業スペースが横一列に限られるため、同時進行の調理には向きません。フードメニューを増やす予定があるなら、後述のL字型を検討しましょう。

L字型は2人体制のカフェに適した形

L字型は、壁の角を利用して作業面を2辺に展開する配置で、カフェでは最も採用例が多いパターンです。調理エリアとドリンクエリアを物理的に分けられる点が大きな利点になります。

8坪程度のワンオペ店でも、短辺にエスプレッソマシンとグラインダー、長辺に作業台と冷蔵庫を置けば、1歩の移動でほぼすべての作業をこなせます。10席前後の店舗であれば、無駄のない動線を確保できるでしょう。

角の部分がデッドスペースになりやすいため、コーナー用の可動棚やワゴンを組み合わせて活用してください。

アイランド型は複数人の同時作業向け

アイランド型は、作業台を中央に独立させて四方から囲める配置です。12坪以上の広さがあり、常時2人以上で運営する店舗に適します。

客席から調理の様子が見えるため、焙煎や抽出を「見せる演出」として使えるのも特徴といえます。ロースタリー併設型やベーカリーカフェで採用されるケースが目立ちます。

一方で、島の周囲に通路を確保する必要があり、面積効率は3パターンの中で最も低くなります。10坪未満の物件で無理にアイランド型を選ぶと、客席が極端に減るため注意が必要です。

使いやすさを左右する動線と寸法の目安

使いやすいキッチンは、動線と寸法の設計で決まります。作業エリアの配置、通路幅、作業台の高さ、収納の位置という観点から要点を押さえます。

寸法の目安
  • 通路幅:80〜100cm
  • 作業台の高さ:80〜85cm
  • 提供カウンターの高さ:90〜110cm

3つの作業エリアを三角形に配置する

カフェのキッチンは、次の3つのエリアに分けて設計すると動線が整理されます。

  • 調理エリア(加熱・下ごしらえ)
  • ドリンク・提供エリア(抽出・配膳)
  • 洗浄エリア(シンク・食器収納)

この3点を三角形に近い位置関係で結ぶと、往復の無駄がなくなります。グラス・氷・シロップのように使用頻度の高い備品を1カ所へ集約させるのも有効です。

通路幅は80〜100cmを目安に確保する

キッチン内の通路幅は、最低80cm、可能であれば100cmを確保しましょう。法令上の義務ではありませんが、厨房設計では安全性と効率の両面から広く推奨されている寸法です。

80cmを下回ると、オーブンの扉や冷蔵庫の扉を開けたときに人が通れなくなります。2人体制なら100〜120cmあると、混雑時でもすれ違いのストレスがありません。

図面段階では十分に見えても、機器の扉や引き出しを開いた状態の寸法まで確認しないと判断を誤ります。設計時に「開いた状態」で作図してもらいましょう。

作業台とカウンターの高さを合わせる

作業台の高さは80〜85cmが標準です。身長160cm前後なら80cm、175cm前後なら85cmを選ぶと、腰への負担が軽くなります。

提供カウンターは、立った客に受け渡すなら100〜110cm、座って飲食するカウンター席なら70cm前後が使いやすい高さです。スタッフ側の作業面と客側の天板で高さを変える段差設計にすると、手元を適度に隠しながら受け渡しがスムーズになります。

身長は人によって異なるため、可能なら段ボールなどで実寸を再現し、立ち位置を体感してから確定させてください。

使用頻度で収納の位置を決める

収納計画を後回しにすると、開業後に段ボールが通路を塞ぐ事態になりがちです。小規模なカフェほど、食器・カトラリー・食材ストックが場所を圧迫します。

目安として、次の3段階で置き場所を振り分けましょう。

  • 毎日使う食器やカップ:作業台から1歩以内の吊り棚や下部収納
  • 週単位で補充する食材:厨房内の常温棚や冷蔵庫上段
  • 消耗品や予備の什器:バックヤードや客席下のデッドスペース

カウンター下や階段下など、デッドスペースを収納に転用する設計にしておくと、厨房面積を広げずに済みます。

キッチンを含めた内装デザインの決め方

動線が固まったら、次は内装のデザインです。テイストと配色の絞り込み、見せ方の切り分け、照明の使い分けという順で決めていきましょう。

結論

カフェのキッチンは客席から見える前提で設計します。テイストを1つに絞り、色数を3色以内に抑えたうえで、見せる部分と隠す部分を切り分けると空間がまとまります。

デザインのテイストは1つに絞る

複数のテイストを混ぜると統一感が崩れ、落ち着かない印象になります。先にテイストを1つ決め、そこから素材と色を逆算するのが基本の進め方です。

テイスト主な素材・色相性の良い業態
ナチュラル無垢材、白壁、観葉植物幅広い客層の街カフェ
インダストリアルコンクリート、黒鉄、ステンレススペシャルティコーヒー店
北欧モダン淡いグレー、白、ライトブルーベーカリーカフェ
レトロ喫茶木製カウンター、モケット張りの椅子純喫茶、昭和レトロ系
和・古民家梁見せ、漆喰、土間和カフェ、観光地立地
モノトーン白と黒、ガラス、金属スタンド型、テイクアウト主体

ステンレスの厨房機器はインダストリアルやモノトーンと馴染みやすい一方、ナチュラル系では木製の面材で覆う造作が必要になります。テイストによって厨房の造作費が変わる点は押さえておきましょう。

和のテイストを検討している方は古民家カフェの内装設計のポイントもあわせてご覧ください。

色数は3色以内に抑えて素材を選ぶ

床・壁・家具に使う色は、ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3色以内にまとめると散らかりません。比率は7対2対1が扱いやすい配分です。

素材は「温かみ」か「シャープさ」のどちらに寄せるかで方向が決まります。落ち着いた空間なら木目の床に電球色の照明、清潔感を出すなら白ベースにサブウェイタイルとステンレス天板という組み合わせが定番です。

厨房まわりの壁材は、意匠性だけでなく耐水性と清掃のしやすさも判断基準に加えてください。油はねの多いコンロ前は、キッチンパネルやタイルが現実的な選択になります。

見せる部分と隠す部分を切り分ける

カフェのキッチンはオープン形式が主流のため、裏方ではなく内装の一部として設計する必要があります。すべてを見せるのではなく、客席から何が見えるかを図面段階で確認しましょう。

  • 見せたい:エスプレッソマシン、抽出作業、豆やカップのディスプレイ
  • 隠したい:洗い場のシンク、ゴミ箱、段ボールやストック類
  • 手元だけ隠す:加熱調理の作業面、仕込み中の食材

洗い場が客席から丸見えになる配置は、清潔感を損なう典型的な失敗パターンです。カウンターの立ち上がりを10〜20cm高くするだけでも手元が隠れ、印象が大きく変わります。

照明は客席とキッチンで使い分ける

照明を1種類で統一すると、雰囲気か作業性のどちらかが犠牲になります。エリアごとに色温度と器具を変えるのが、カフェの照明計画の基本です。

エリア推奨する光主な器具
キッチン作業台昼白色で手元を明るくLEDベースライト、ダウンライト
提供カウンター温白色で商品を映すスポットライト、ペンダントライト
客席電球色で滞在しやすく間接照明、ペンダントライト

ダクトレールを採用しておけば、開業後にレイアウトを変えても器具の位置を調整できます。メニューボードや商品を照らす位置は、什器の配置が固まってから決めましょう。

保健所の営業許可で求められる厨房設備

カフェの開業には、保健所の施設基準を満たす厨房設備が欠かせません。シンクと手洗い、区画、換気設備、そして事前相談という要点を確認します。

注意

施設基準を満たさない内装にすると、完成後の検査で許可が下りず、工事のやり直しが発生します。基準は自治体の条例で細部が異なるため、必ず所管の保健所で事前確認を行いましょう。

シンクと手洗い設備の基準を確認する

飲食店営業では、食材用と食器用を分けて洗浄できるよう、2槽シンクや専用の手洗い設備など、所管の保健所が定める施設基準を満たす必要があります

求められるシンクの数や寸法は自治体・業態によって異なるため、事前に確認しておきましょう。1槽あたりの内寸は幅45cm×奥行36cm×深さ18cm以上が一般的な目安です。

加えて、洗浄用シンクとは別に、調理室内へ手洗い専用の設備が必要になります。

令和3年6月1日施行の改正では、調理室内の手洗い設備の水栓について、洗浄後の手指が再び汚染されない構造(センサー式やレバー式など)であることが求められるようになりました。
参考:浜松市 営業施設基準の改正について

食器洗浄機を1槽として扱うかどうかは自治体で判断が分かれます。機器を選ぶ前に確認しておくと安心です。

厨房と客席を衛生上区分する

厨房とそれ以外のエリアは、衛生上区分することが求められます。オープンキッチンの場合でも、必要に応じてカウンターや腰壁で仕切る対応が一般的です。求められる区分の方法や高さは自治体ごとに異なるため、設計前に確認しておきましょう。

出入口には跳ね上げ式カウンターやスイングドアを設けるのが一般的な対応です。求められる仕切りの種類や高さは自治体ごとに異なるため、設計前の確認が欠かせません。

床・壁は耐水性があり清掃しやすい素材、換気設備や給湯設備の設置も基準に含まれます。デザイン優先で素材を決めると、後から張り替えになる恐れがあります。

換気設備と排水条件を確認する

加熱調理を行う厨房には、換気設備の設置が求められます。排気ダクトの経路は建物の構造に左右されるため、物件の内見時点で確認すべき最重要項目の一つです。

ダクトを新設できない物件では、加熱機器の種類を制限せざるを得ない場合もあります。ビルの上階やテナント区画では、排気の出口が確保できるかを管理会社にも確認しておきましょう。

加えて、排水条件によっては、油分を含む排水にグリストラップの設置が求められる場合があります後付けは床の斫り工事を伴い費用がかさむため、既設の有無を早い段階で調べてください。

内装工事の着工前に保健所へ相談する

最も重要なのは、物件契約前または設計段階のうちに保健所へ事前相談することです。営業許可は内装完成後の検査で交付されるため、基準を外していると開業が1〜2ヶ月単位で遅れかねません。

相談時は、図面と設置予定の機器リストを持参するとスムーズに進みます。手洗い設備の位置、シンクの数と寸法、区画の方法を中心に確認しておきましょう。

飲食店の施工実績が豊富な内装業者であれば、事前相談への同行や図面の準備まで対応してくれる場合もあります。

カフェのキッチン内装にかかる費用相場

キッチンの内装には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは総額の目安、工事項目別の内訳、費用を抑える方法を順に見ていきます。

費用の目安

10〜15坪のカフェでは、内装工事と厨房設備を合わせて200万〜500万円程度が一つの目安です。ただし、居抜きかスケルトンか、厨房機器を新規で導入するかどうかで大きく変わります。

10〜15坪で200万〜500万円が目安

予算帯は、工事範囲によっておおむね3つに分かれます。

  • 居抜き物件を活用し最低限の工事にとどめる:200万〜300万円
  • 厨房を整えつつ照明や壁材にもこだわる:350万〜450万円
  • スケルトンから全面施工し造作家具を入れる:500万円以上

坪単価に換算すると、居抜きで20万〜30万円、スケルトンで40万〜60万円あたりが一つの水準です。詳しい坪単価の考え方はカフェ内装の費用相場と坪単価の解説記事もあわせてご覧ください。

工事項目ごとの費用内訳を把握する

総額だけを見ていると、どこを削れるのか判断できません。項目別の目安を把握しておきましょう。

工事・設備項目費用目安主な内容
内装仕上げ20万〜50万円壁・床・天井のタイル、塗装、床材
厨房機器・シンク50万〜150万円シンク、冷蔵庫、コンロ、食洗機
給排水・ガス工事20万〜50万円給水管の延長、排水、ガス引き込み
電気・照明工事15万〜30万円分電盤、コンセント増設、照明器具
カウンター造作30万〜80万円カウンター、収納棚、什器
装飾・備品5万〜20万円メニューボード、食器、ディスプレイ

壁を全面タイル貼りにしたり、無垢材でカウンターをオーダーしたりすると、仕上げだけで予算を圧迫します。厨房機器と給排水工事に優先的に配分するのが失敗しにくい考え方です。

居抜き物件と中古機器で費用を抑える

費用を圧縮する手段として効果が大きいのは、次の3つです。

  • 同業態の居抜き物件を選び、給排水とダクトを流用する
  • 厨房機器を中古でそろえ、初期投資を半分程度に抑える
  • 塗装や棚の取り付けなど装飾部分だけをDIYで対応する

ただし水道・電気・ガス・換気に関わる工事は必ず専門業者へ依頼してください。誤った施工は漏電や漏水の原因になるうえ、基準を満たさず営業許可が下りない事態も起こり得ます。

居抜きを選ぶ場合も、厨房機器の動作確認、給排水管の劣化、グリストラップの状態は契約前にチェックしておきましょう。

内装業者へ依頼するときの進め方と注意点

業者選びと依頼の進め方しだいで、仕上がりも費用も変わります。次の3つの観点から、依頼の流れと注意点を押さえておきましょう。

ポイント
  • コンセプトと機器リストを整理してから相談する
  • 2〜3社の相見積もりを金額以外の軸でも比較する
  • 仕様と追加費用の条件を契約前に書面で確認する

依頼前にコンセプトと機器を整理する

相談前の準備が整っているほど、提案の精度が上がり見積もりのブレも小さくなります。最低限、次の4点はまとめておきましょう。

  • 店のコンセプトと想定する客層
  • 提供予定のメニュー一覧
  • 希望する席数と店舗面積
  • 導入したい厨房機器の種類と台数

イメージが言葉にしづらい場合は、SNSや施工事例の写真を数枚用意しておくと伝わりやすくなります。古民家カフェの内装設計のポイントのように、方向性が固まった事例記事を参考にするのも一つの手です。

相見積もりは2〜3社から取って比較する

内装業者は会社ごとに得意分野が異なります。1社だけで即決せず、最低でも2〜3社から同条件で見積もりを取りましょう。

比較の際は、総額だけでなく次の観点も確認します。

  • カフェや飲食店の施工実績があるか
  • 見積書の内訳が「一式」でまとめられていないか
  • 引き渡し後の保証や修理体制が整っているか

エリアごとの業者選びは、大阪のカフェ内装デザイン会社の比較記事兵庫のカフェ内装工事会社の比較記事も参考になります。

相談から引き渡しまでの流れを押さえる

工事の全体像を把握しておくと、スケジュールを逆算しやすくなります。

  • 初回相談と現地調査で希望条件を共有する
  • レイアウト図と概算見積もりの提示を受ける
  • 仕様を確定させて契約し、着工する
  • 工事中は変更点を都度すり合わせる
  • 完成検査を経て引き渡し、機器を搬入する

工期の目安は、居抜き物件で2週間〜1ヶ月、スケルトンからの施工なら設計期間を含めて3ヶ月以上かかることも珍しくありません。着工後の仕様変更は追加費用と工期延長につながるため、契約前に素材・色・寸法まで書面で詰めておきましょう。

カフェのキッチン内装に関するよくある質問

開業前の相談で特に多い質問をまとめました。判断に迷う項目は、着工前に業者と保健所の両方へ確認しておくと安全です。

Q

カフェの内装費用はいくらくらいかかりますか?

A

10〜15坪の店舗で、内装工事と厨房設備を合わせて200万〜500万円程度が目安です。居抜き物件で設備を流用できれば200万円台に収まる一方、スケルトンから造作家具まで入れると500万円を超えます。物件の状態で大きく変わるため、契約前に概算を取ることをおすすめします。

Q

自宅のキッチンを使ってカフェを開業できますか?

A

自宅での開業は可能ですが、家庭用キッチンをそのまま使うことは認められません。営業用の厨房を住居部分と区画したうえで、2槽シンクや専用の手洗い設備など施設基準を満たす必要があります。住宅の一部を改装する形になるため、早い段階で保健所へ相談してください。

Q

5坪ほどの狭い物件でもキッチンは作れますか?

A

5坪前後でも、直線型やL字型を選べば十分に成立します。テイクアウトとカウンター席を中心にした構成にし、機器を必要最小限へ絞るのがコツです。ただし2槽シンクと手洗い設備は必須のため、この2点を先に配置してから残りのレイアウトを組み立ててください。

Q

キッチンの内装をDIYで仕上げても問題ありませんか?

A

壁の塗装や棚の取り付け、メニューボードの製作など装飾部分であればDIYで対応できます。一方、給排水・電気・ガス・換気に関わる工事は資格や届出が必要で、施工不良が営業許可に影響します。設備まわりは専門業者に任せ、DIYは仕上げに限定するのが現実的です。

Q

居抜き物件ならキッチンの工事は不要ですか?

A

工事が不要になるとは限りません。前テナントの営業許可はそのまま引き継げず、現行の施設基準に照らして再度検査を受けます。手洗い設備の水栓が旧型の場合は交換が必要になるほか、機器の劣化やグリストラップの状態によって補修が生じることもあります。

カフェのキッチン内装は動線と法令から決める

カフェのキッチン内装は、見た目から入ると必ずどこかで矛盾が生じます。メニューと動線という運営の軸を先に固め、そのうえでテイストや素材を重ねていく順序を守れば、おしゃれさと使いやすさを両立できます。

この記事のまとめ
  • 提供メニューと営業人数を決めてから設備を選ぶ
  • 配置は直線型・L字型・アイランド型から坪数で選ぶ
  • 通路幅80〜100cm、作業台80〜85cmを基準にする
  • テイストは1つに絞り、色数は3色以内でまとめる
  • 着工前に保健所へ事前相談し施設基準を満たす
  • 10〜15坪で200万〜500万円を予算の目安に置く

特に、保健所の施設基準と換気・給排水の条件は、物件選びの段階で結果が決まってしまう要素です。契約前に図面と機器リストを用意し、保健所と施工業者の双方へ相談しておくことで、工事のやり直しや開業の遅れを防げます。

【監修者】松岡 祐希

株式会社オールメイク代表。

兵庫県を中心に全国各地の美容室・サロン・飲食店・病院・オフィス・クリニックなど店舗の内装工事をしています。 自社でも運営してる美容サロンなどもあるので、配置含めて設計図のパズルは得意になります。