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2026.07.27
11:40

オフィス移転の内装工事|費用相場と進め方7手順を解説

オフィス移転にあわせて内装工事を計画すると、「費用はいくらかかるのか」「何から進めればよいのか」と迷うことが多いのではないでしょうか。

工事区分やスケジュールを知らないまま進めると、想定外の追加費用やスケジュール遅延につながります。

結論として、オフィス移転の内装費用は坪単価10〜80万円が目安で、物件タイプと工事範囲によって大きく変わります。

あわせて、A工事・B工事・C工事という工事区分を理解しておくことが、コストとトラブルを抑える鍵になります。

この記事では、内装工事の種類や費用相場から、工事区分の違い、移転から入居までの流れ、デザインと業者選びのポイントまで、担当者が知っておくべき知識を順に解説します。

オフィス移転の内装工事とは

オフィス移転の内装工事とは、新しいオフィスを働きやすい空間に整えるための工事全般を指します。

単なる見た目づくりではなく、生産性やコミュニケーションを左右する重要なプロジェクトです。

まずは工事の中身と、費用の全体像を押さえておきましょう。

ポイント
  • 内装工事は床・壁・天井の仕上げから設備、間仕切りまで幅広い
  • 移転費用は「入居」「構築」「退去」の3区分で考える
  • 内装(構築)費用は移転コストの中で最も変動幅が大きい

内装工事に含まれる主な工事

ひと口に内装工事といっても、その内容は多岐にわたります。

移転の目的やコンセプトにあわせて、次のような工事を組み合わせて計画します。

  • 内装仕上げ工事:床・壁・天井の仕上げ、OAフロア(二重床)の設置
  • 間仕切り工事:会議室や個室を区切るパーティションの設置
  • 電気・LAN工事:コンセントや情報配線、照明の敷設
  • 空調・防災設備工事:エアコンや消防設備の増設・移設
  • 家具・什器の設置:デスクや収納、エントランスサインの設置

特に電気工事とLAN工事は同じタイミングで進めるのが効率的です。

別々に発注すると壁や床を二度開けることになり、手間も費用も余計にかかります。

情報コンセントの位置は、デスクレイアウトとあわせて事前に決めておきましょう。

移転費用は3区分で考える

オフィス移転の費用は、大きく「入居費用」「構築費用」「退去費用」の3つに分けて考えると全体像をつかみやすくなります。

内装工事は、このうち構築費用の中心を占める項目です。

費用区分主な内容目安
入居費用敷金・礼金・仲介手数料・前家賃賃料の6〜12ヶ月分
構築費用内装工事・設備・家具・引越し坪10〜80万円
退去費用旧オフィスの原状回復工事坪3〜10万円

賃貸オフィスでは内装工事期間中も賃料が発生するため、工事期間を含めた資金計画が欠かせません。

なお旧オフィスの退去にかかる原状回復については、テナント退去の流れと原状回復のポイントで詳しく解説しています。

オフィス移転の内装費用の相場

内装費用は、物件がどの状態で引き渡されるかによって大きく異なります。

工事範囲が広いほど坪単価は上がり、既存設備を活かせるほど下がる関係です。

物件タイプ別・面積別に目安を確認しましょう。

結論

内装費用は物件タイプで大きく変わり、居抜きなら坪10〜30万円、スケルトンなら坪30〜80万円が目安です。物件選びの段階で、費用の大枠はほぼ決まります。

物件タイプ別の坪単価

物件は主に「スケルトン」「居抜き」「セットアップ」の3タイプに分かれます。

それぞれの坪単価の目安は次のとおりです。

物件タイプ状態坪単価の目安
スケルトンコンクリート躯体のみ。一から工事が必要坪30〜80万円
居抜き前テナントの内装・設備を引き継げる坪10〜30万円
セットアップ内装済みで貸し出される物件坪10万円前後〜

スケルトンは自由度が最も高い一方で費用がかさみます。

会議室を複数設けたり、ガラスパーティションやデザイン壁を採用したりすると、坪60〜80万円まで上がるケースもあります。

面積規模別の総額目安

内装工事には面積に関係なく発生する固定費があるため、小規模オフィスほど坪単価は割高になります。

逆に面積が大きいほど坪単価は下がる傾向です。

居抜き物件で坪20万円と仮定した場合の総額イメージは次のとおりです。

広さ想定人数総額の目安(坪20万円想定)
20坪10名前後約400万円〜
50坪25名前後約1,000万円〜
100坪50名前後約2,000万円〜

あくまで内装工事費のみの概算で、家具や引越し費用は別途必要です。

坪単価の内訳や見積書の見方を詳しく知りたい方は、オフィス内装工事費用の相場と内訳の解説記事もあわせてご覧ください。

内装費用を抑える3つの方法

デザインにこだわりつつコストを抑えるには、力の入れどころにメリハリをつけることが重要です。

実践しやすい方法を3つ紹介します。

  • 居抜きやセットアップ物件を選び、既存設備を活用する
  • 来客エリアはこだわり、執務エリアはシンプルに仕上げる
  • 複数の業者から相見積もりを取り、内訳を比較する

ただし、目先の安さだけで判断するのは禁物です。

安価な提案には必要な工事が含まれていないこともあるため、金額と工事範囲をセットで比較する視点を持ちましょう。

A工事・B工事・C工事の違いと注意点

オフィスビルの内装工事で最も重要なのが「工事区分」の確認です。

区分は「A工事」「B工事」「C工事」の3つに分類され、それぞれ費用の負担者と業者の選定権が異なります。

事前に確認しないと、テナントにとって思わぬトラブルにつながります。

ポイント
  • 工事区分は費用負担者と業者の決定権を定めたもの
  • オフィス内装の多くはC工事だが、設備が絡むとB工事になる
  • 区分を確認しないまま進めると想定外の費用が発生する

3つの工事区分の違い

A工事・B工事・C工事の違いを一覧で整理すると、次のようになります。

どこまでを自社が負担するのか、事前に把握しておきましょう。

区分対象費用負担業者の選定
A工事躯体・共用部など建物本体オーナーオーナー
B工事空調・防災・電気など建物設備テナントオーナー指定
C工事専有部の内装・間仕切りなどテナントテナント

テナントが自由に業者を選べるのはC工事です。

内装やレイアウトの自由度が高く、要望を反映しやすい区分といえます。

オフィス移転時の改装工事はC工事に該当するケースが多いものの、内容によってはB工事となる点に注意が必要です。

B工事で費用が膨らみやすい理由

B工事は建物設備に関わるため、オーナーが指定する業者しか施工できません。

相見積もりで競争が働きにくく、同じ工事でも物件によって費用が数倍違うことも珍しくありません。

たとえば、パーティションで区切るだけならC工事で済むと思っていても、照明や空調の位置を動かす必要が出るとB工事が絡んできます。

費用を抑えたい場合は、B工事をC工事に切り替えられないかオーナーに相談することも有効な選択肢です。

工事区分は契約前に確認する

どの工事がどの区分に該当するかは、ビルの規定によって異なります。

契約前に工事区分表や賃貸借契約書で必ず確認しましょう。

C工事で導入した内装や設備は、退去時に原状回復を求められることが多いため、将来的なコストも見越した設計を意識することが大切です。

オフィス移転・内装工事の流れとスケジュール

オフィス移転と内装工事は、多くのタスクが複雑に絡み合うプロジェクトです。

全体の流れを把握し、各段階で適切に対応することで、スケジュールの遅延や予算オーバーを防げます。

結論

移転完了までの期間は一般的に6ヶ月〜1年が目安です。内装工事自体は1〜2ヶ月ですが、計画から逆算して早めに動き出すことが成功の鍵となります。

内装工事の進め方7手順

移転の検討開始から新オフィスでの業務スタートまで、標準的な流れは次の7ステップです。順を追って進めましょう。

  • 現状分析と移転計画の立案(目的・予算・時期の設定)
  • 物件の選定と契約(工事区分の事前確認)
  • コンセプトと要件の整理(働き方・必要な機能の洗い出し)
  • レイアウトとデザインの設計
  • 見積もり取得と業者の決定
  • 内装工事の施工
  • 竣工検査・引越し・業務開始

この流れと並行して、旧オフィスの解約通知や原状回復の手配も進めます。

解約通知は退去の6ヶ月前が一般的なため、スケジュールに組み込んでおきましょう。

移転完了までの期間の目安

各工程にかかる期間の目安は次のとおりです。

工事だけでなく、その前段の設計や業者選定にも十分な時間を確保することが大切です。

工程期間の目安
計画・物件選定2〜3ヶ月
設計・業者決定1〜2ヶ月
内装工事の施工1〜2ヶ月(大規模は半年程度)
引越し・業務開始数日〜2週間

希望の移転日から逆算すると、施工完了の3ヶ月前までには内装業者を決定しておきたいところです。

業者選定が遅れると、希望の移転日に間に合わないおそれがあります。

失敗しないオフィス内装デザインのポイント

内装デザインは見た目の良さだけでなく、働きやすさや生産性に直結します。

移転を機に理想の空間を実現するために、押さえておきたいポイントを整理します。

ポイント
  • デザインの前に「働き方」と「コンセプト」を固める
  • 人の流れを考えた動線とゾーニングを設計する
  • 配線やOAフロアを計画段階から組み込む

コンセプトと働き方を先に決める

デザインに入る前に、「どんな働き方を実現したいか」を先に固めることが重要です。

出社とテレワークの比率や、部署間のコミュニケーションのあり方によって、必要なスペースは大きく変わります。

近年は、業務内容に応じて働く場所を選べるABW(Activity Based Working)を取り入れる企業も増えています。

コンセプトが明確になると、レイアウトや素材選びの判断軸が定まり、デザインの一貫性も保ちやすくなります。

動線とゾーニングを設計する

居心地の良い空間には、人の流れを考慮した動線設計が欠かせません。

エントランス、執務エリア、会議室、リフレッシュスペースをどう配置するかで、働きやすさが決まります。

来客と社員の動線を分ける、集中エリアと会話エリアを離すなど、用途ごとにゾーニングすることがポイントです。

Web会議が増えた今は、防音性のある個室ブースを設けるニーズも高まっています。

配線・OAフロアを計画に入れる

意外と見落としがちなのが、電源やLANの配線計画です。

OAフロア(二重床)にすると床下に配線を隠せるため、見た目がすっきりし、レイアウト変更にも柔軟に対応できます。

情報コンセントの数や位置は、デスクレイアウトが固まる前に検討しておきましょう。

後から追加すると、床や壁を再び開けることになり、余計なコストがかかります。

オフィス内装で注意したい法規制と届出

デザインや利便性を優先して設計を進めた結果、消防署から改善指示が入るケースは少なくありません。

オフィスの内装は、機能性やデザイン性だけでなく、防火性能や法規制にも配慮して設計・施工する必要があります。

担当者が押さえておきたい要点を整理します。

注意
  • 内装工事には消防法・建築基準法による「内装制限」がある
  • 間仕切りの設置や消防設備の工事は消防署への届出が必要になる
  • 届出漏れは開業遅延に直結するため計画段階で確認する

消防法・建築基準法による内装制限

内装制限とは、火災の拡大を防ぎ利用者を守るために、壁や天井の仕上げ材に不燃・準不燃材料の使用を求める規定です。

建築基準法と消防法の2つの法律で定められており、建物の規模や用途によって対象となるかが変わります。

たとえば「大規模建築物」「火気使用室」「無窓居室」などが制限の対象です。

大規模建築物の目安は、3階建て以上で延べ面積500平方メートル超などとされますが、あくまで一例です。

該当するかどうかは物件ごとに異なるため、設計段階で業者や所轄の消防署に確認しましょう。

内装工事で必要になる主な届出

内装工事の内容によっては、工事の前後に消防署への届出が求められます。

代表的な書類は次のとおりです。

届出書類主な対象
防火対象物工事等計画届出書間仕切り設置など内装工事を行う場合(工事着手前に提出)
防火管理者選任届出書一定の収容人員を超える事業所
消防計画の届出防火管理者の選任にあわせて作成・提出

特に見落としやすいのが計画届出書です。

担当者には「模様替え」の感覚でも、消防法上は防火安全性能に関わる工事とみなされることがあります。

届出者は内装業者ではなく事業を行う自社となる点にも注意してください。

また、天井まで届くパーティションを設置すると、火災報知器やスプリンクラーの増設・移設が必要になり、これらはB工事に該当します。

工事区分とあわせて早めに確認しておくと安心です。

なお法令は改正される場合があるため、実際の計画では必ず所轄の消防署や専門業者にご確認ください。

オフィス内装工事の業者選びのポイント

大きな金額が動くオフィス内装工事では、業者選びが移転プロジェクトの成否を左右します。

選定段階でつまずくと、仕上がりやスケジュールに影響が出てしまいます。

3つの視点で見極めましょう。

ポイント
  • デザインから施工まで一括対応できるワンストップ業者を選ぶ
  • 自社のイメージに近い施工実績・事例があるか確認する
  • 相見積もりで金額と工事範囲の両方を比較する

ワンストップ対応かを確認する

デザイン設計と施工を分けて依頼すると、業者間の調整に手間がかかり、責任の所在も曖昧になりがちです。

企画・デザイン・内装工事・引越しまでワンストップで対応できる業者を選ぶと、窓口が一本化され、時間とコストを抑えられます。

施工実績と事例をチェックする

実績が豊富な業者は、さまざまな要望に応えてきたノウハウを持っています。

ホームページで事例を確認し、自社が目指すイメージに近い施工例があるかをチェックしましょう。

地域密着で対応する業者であれば、物件やビル規定への理解も期待できます。

関西エリアで業者を探している方は、大阪府のオフィス内装デザインでおすすめの業者6選で各社の特徴を比較できます。

相見積もりで内訳を比較する

見積もりは複数の業者から取り、金額だけでなく内訳を比較することが大切です。

業者ごとに含まれるサービスの範囲が異なることがあるため、何がどこまで含まれているかを細かく確認しましょう。

あわせて、工事区分に関する知識が豊富か、アフターフォローの体制が整っているかも確認すると安心です。

長く付き合えるパートナーを見つけることが、移転成功への近道となります。

オフィス移転の内装に関するよくある質問

オフィス移転の内装について、担当者から相談の多い疑問を、期間・費用・工事区分の観点からまとめました。

計画を進める際の参考にしてください。

Q

オフィス移転の内装工事にはどのくらいの期間がかかりますか?

A

内装工事自体は規模にもよりますが1〜2ヶ月が目安です。大規模な工事やスケルトンからの構築では半年程度かかることもあります。物件選定から業務開始までの移転全体では、6ヶ月〜1年をみておくと安心です。

Q

オフィス移転の内装費用の坪単価はいくらですか?

A

坪単価10〜80万円が目安です。居抜き物件なら坪10〜30万円、スケルトン物件なら坪30〜80万円が相場となります。会議室の数や内装のこだわりによっても大きく変動します。

Q

A工事・B工事・C工事のうちテナントが負担するのはどれですか?

A

B工事とC工事がテナント負担です。A工事は建物本体に関わる工事でオーナー負担となります。B工事はオーナー指定の業者、C工事はテナントが自由に業者を選べる点が大きな違いです。

Q

内装業者はいつまでに決めればよいですか?

A

希望の移転日から逆算し、施工完了の3ヶ月前までには決定しておくのが理想です。設計や見積もり、工事区分の確認に時間がかかるため、早めに動くほどスケジュールに余裕が生まれます。

オフィス移転の内装工事のまとめ

オフィス移転の内装工事は、費用相場・工事区分・スケジュール・法規制・業者選びと、押さえるべき要素が多いプロジェクトです。

なかでも物件選びの段階で費用の大枠がほぼ決まるため、早めに全体像を把握して計画的に動くことが成功の鍵となります。

この記事のまとめ
  • 内装費用は坪10〜80万円が目安。物件タイプで大きく変わる
  • A・B・C工事の区分を契約前に確認し、費用負担を把握する
  • 移転完了までは6ヶ月〜1年。施工3ヶ月前までに業者を決める
  • 消防法・建築基準法の内装制限と届出を計画段階で確認する
  • ワンストップ対応・実績・見積内訳で業者を見極める

デザイン設計から施工、届出のサポートまでワンストップで対応できる業者を選べば、担当者の負担を抑えながら、働きやすく企業の魅力を高めるオフィスを実現できます。

本記事で解説したポイントを参考に、理想的なオフィス移転を進めてください。

【監修者】松岡 祐希

株式会社オールメイク代表。

兵庫県を中心に全国各地の美容室・サロン・飲食店・病院・オフィス・クリニックなど店舗の内装工事をしています。 自社でも運営してる美容サロンなどもあるので、配置含めて設計図のパズルは得意になります。