Blog
2026.08.25
09:34

美容室リフォームの費用相場|坪単価と失敗を防ぐ5つの注意点

開業から年数が経ち、「内装が古くなってきた」「セット面を増やしたい」と感じていても、いくらかかるのか見当がつかず動き出せない美容室オーナーの方は多いのではないでしょうか。工事中の休業や既存のお客様への影響も気になるところです。

結論から言うと、美容室リフォームの費用は工事の範囲によって坪単価5万円台から70万円台まで大きく変わります。壁紙と床の張り替え程度であれば10坪で50万〜150万円、スケルトンからの全面改装なら400万〜700万円が目安です。

この記事では、費用相場と坪数別の早見表、必要になる工事の内容、工期と営業の考え方、集客につながるデザイン、保健所への届出や補助金といった見落としがちなポイント、そして業者選びの基準までを順に解説します。

目次

美容室リフォームの費用相場と坪単価

リフォームを検討するうえで、まず知りたいのが費用の目安でしょう。ここでは工事タイプ別の坪単価から坪数別の総額、工事項目ごとの内訳までを順に確認します。

結論
  • 部分改装は坪単価5〜15万円、10坪で50万〜150万円が目安
  • 設備を流用する居抜き改装は坪単価25〜40万円
  • スケルトンからの全面改装は坪単価40〜70万円
  • 工事費とは別に設計費が10〜15%、什器代が別途かかる

工事タイプ別の坪単価の目安

美容室のリフォーム費用は、どこまで手を入れるかで3つのタイプに分かれます。同じ坪数でもタイプが変わると総額は5倍以上開くため、まずは自店がどこに当てはまるかを把握しましょう。

工事タイプ坪単価の目安主な工事範囲
部分改装5〜15万円壁紙・床材の張り替え、照明交換、塗装
居抜き改装25〜40万円レイアウト変更、設備の一部入れ替え、内装刷新
全面改装(スケルトン)40〜70万円解体からの造作、給排水・電気の全面やり直し

前のテナントも美容室で、シャンプー台の配管位置をそのまま活かせる場合は居抜き改装の下限に近づきます。反対に、他業種の物件を美容室に作り替える場合は配管ルートの新設が必要になり、全面改装に近い費用感になると考えておくと安全です。

坪数別リフォーム費用の早見表

予算を組むときは坪数を掛け合わせた総額で考えます。8坪から20坪までの目安を次の表にまとめました。

坪数部分改装居抜き改装全面改装
8坪40万〜120万円200万〜320万円320万〜560万円
10坪50万〜150万円250万〜400万円400万〜700万円
15坪75万〜225万円375万〜600万円600万〜1,050万円
20坪100万〜300万円500万〜800万円800万〜1,400万円

なお、この金額にシャンプー台やセット面などの什器代は含まれません。設備を新調する場合は、上表の総額に別途100万〜300万円ほど積んでおくと計画が崩れにくくなります。

工事項目ごとの費用内訳

見積書を読み解くには、項目ごとの単価感を知っておくことが有効です。代表的な工事の相場は次のとおりです。

工事項目費用の目安
壁紙の張り替え1,000〜2,000円/㎡
床材の張り替え(クッションフロア)2,000〜5,000円/㎡
シャンプー台の移設(給排水)5万〜20万円/箇所
セット面の増設3万〜15万円/台
コンセント増設5,000〜1.5万円/箇所
電気容量アップ(幹線工事)10万〜50万円
業務用エアコン設置10万〜40万円/台
看板・サイン工事20万〜100万円

坪単価をベースにした考え方や、開業時の内装費との違いについては美容室の内装費用と坪単価の相場でも詳しく整理しています。

見積書に含まれる設計費と諸経費

坪単価から総額を試算しても、実際の見積書はそれより高くなります。工事費以外に設計費や現場管理費が別立てで加算されるためです。予算オーバーの多くは、ここを見込んでいないことが原因になります。

項目目安内容
設計・デザイン費工事費の10〜15%図面作成、パース、仕様決定
現場管理費・諸経費工事費の5〜10%工程管理、近隣対応、保険
解体・廃材処分費5万〜30万円既存内装の撤去と処分
什器・備品費100万〜300万円シャンプー台、セット面、ミラー

設計事務所と施工会社を別々に依頼すると、設計費が独立して発生するぶん総額が上がりやすくなります。設計から施工まで一貫対応の会社であれば、設計費が工事費に含まれているケースもあるため、見積もりを比較する際は内訳の立て方まで確認してください。

美容室リフォームで必要になる主な工事

美容室のリフォームでは、どのような工事が発生するのでしょうか。内装仕上げ・給排水・電気・外装という4つの観点から、それぞれの要点を押さえていきます。

ポイント

美容室のリフォームは「内装仕上げ」「給排水」「電気」「外装」の4つに分けて考えると、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。

内装仕上げ工事は掃除のしやすさで選ぶ

床・壁・天井の仕上げは、店の印象を決めると同時に日々のメンテナンス負担を左右します。美容室の床にはカットした毛髪やカラー剤が落ちるため、目地が少なく水拭きできる素材を選ぶのが基本です。

  • 床材はクッションフロアや塩ビタイルが定番
  • 壁は撥水性のあるクロスや塗装で汚れを防ぐ
  • 天井は照明計画とセットで検討する

デザイン性を優先して無垢材や毛足の長いカーペットを選ぶと、数年で傷みが目立ち再工事が必要になるケースもあります。見た目と実用性のバランスを、施工会社と現物サンプルを見ながら詰めていきましょう。

給排水工事はシャンプー台の位置で決まる

美容室のリフォームで費用が跳ね上がりやすいのが給排水工事です。シャンプー台を今の位置から動かす場合、床を斫って配管ルートを新設する必要があり、1箇所あたり5万〜20万円ほどかかります。

特に排水は勾配を取る必要があるため、床を上げる工事が発生することもあります。また、複数台を同時に使う店舗では給湯能力も見直しの対象です。シャンプー台を動かすかどうかが、費用を分ける最大の分岐点だと考えてください。

電気工事は容量とコンセント配置が要

ドライヤー、アイロン、パーマ機器など消費電力の大きい機器を同時に使う美容室では、電気容量の確保が欠かせません。セット面を増やしたのにブレーカーが落ちるようになった、という相談は珍しくありません。

  • 使用する機器をすべて洗い出して総容量を計算する
  • セット面1台につきコンセントは2口以上を確保する
  • カット用は演色性の高い照明、シャンプー台は暖色系の間接照明を使い分ける

幹線工事や分電盤の交換が必要になると10万〜50万円が加算されます。将来的な台数増も見込んで、余裕を持った容量設計を依頼しておくと安心です。

外装工事は通行客の来店判断を左右する

内装にばかり目が向きがちですが、通りがかりの方が来店を決める材料は外観です。看板の色あせや外壁の汚れが残ったままだと、内装を刷新しても「古い店」という印象を覆せません。

工事内容費用の目安
外壁の塗り替え・補修50万〜80万円
外装材のタイル張り替え120万〜220万円
仮設足場の設置15万〜20万円
看板・サインの製作と設置20万〜100万円
入口ドア・ガラス面の改修15万〜60万円

足場が必要な工事は、内装と同時に行うと足場代を一度で済ませられます。外壁と看板を別々の時期に発注すると足場代が二重にかかるため、外装に手を入れる予定があるなら内装工事とまとめて計画しましょう。

美容室リフォームの流れと工事期間の目安

リフォームは、相談から引き渡しまでいくつかの段階を踏みます。全体の流れと必要な期間、休業をどう考えるかを順に見ていきましょう。

補足

相談から引き渡しまでは、部分改装でも1〜2ヶ月、全面改装なら4〜6ヶ月を見込みます。工事そのものより、設計と保健所の調整に時間がかかる点に注意してください。

相談から引き渡しまでの6ステップ

美容室のリフォームは、次のような流れで進みます。各段階の目安期間も併せて確認しておきましょう。

ステップ内容目安期間
相談・現地調査要望のヒアリング、既存図面と設備の確認1〜2週間
プラン・見積提示レイアウト案や3Dパースの作成、概算見積2〜3週間
契約・実施設計仕様と素材の確定、詳細図面の作成2〜4週間
保健所への事前相談構造設備の変更内容を届出前に確認1〜2週間
着工・施工解体、設備工事、内装仕上げ2日〜3ヶ月
検査・引き渡し手直し確認、届出手続き、営業再開1週間前後

工事規模別に見る休業期間の目安

売上への影響を試算するうえで、休業がどれくらい必要かは早めに押さえておきたい情報です。規模ごとの目安は次のとおりです。

工事規模施工期間休業の目安
部分改装2日〜2週間数日〜1週間
居抜き改装2週間〜1ヶ月2週間前後
全面改装1〜3ヶ月1ヶ月以上

資材の納期や職人の手配状況によって期間は前後します。スケジュールには2週間程度の予備を持たせておくと、急な遅延にも対応しやすくなります。

工事中も営業を続けるという選択肢

全面改装でなければ、営業を止めずに工事を進める方法もあります。売上の落ち込みを抑えたい場合は、施工会社に相談してみる価値があります。

  • 店内を区切って半分ずつ工事する分割施工
  • 定休日と夜間に工事を集中させる時間帯調整
  • 近隣に仮店舗を用意して一時的に移転する

ただし、粉じんや騒音、お客様の動線と安全の確保には十分な配慮が必要です。分割施工は工期が延びて総額が上がることもあるため、休業した場合の逸失利益と比較して判断しましょう。

集客につながる美容室デザインのポイント

せっかくのリフォームなら、集客につながる空間にしたいところです。次の3つのポイントを、順に押さえていきましょう。

ポイント
  • デザインを決める前にコンセプトを言語化する
  • ターゲット層に合わせて配色と素材を選ぶ
  • 撮影したくなる要素を1箇所つくる

コンセプトを言語化してから素材を選ぶ

「おしゃれにしたい」という要望だけで打ち合わせを始めると、素材選びが感覚論になり、仕上がりに統一感が出ません。先に店の方向性を言葉にしておくと、色や質感の判断基準が定まります。

コンセプト与える印象相性の良い素材・色
カフェ風親しみやすく居心地が良い木材、グリーン、暖色系
ラグジュアリー非日常感と高級感大理石調、金属、間接照明
ナチュラル穏やかで癒される自然素材、アースカラー
モードミニマル洗練された都会的な印象モルタル、モノトーン、直線

コンセプトが決まっていれば、業者からの提案が方向性に合っているかを判断でき、打ち合わせの回数も減らせます。近隣の競合店がどのテイストを取っているかを調べ、あえて重ならない方向を選ぶのも有効な差別化です。

ターゲット層に合わせて配色を決める

同じ「清潔感のある内装」でも、20代が心地よいと感じる空間と40代以上が落ち着くと感じる空間は異なります。主要な客層を思い浮かべながら、明るさとトーンを調整しましょう。

客層重視する価値空間の方向性
20代〜30代前半トレンドと写真映え明るく開放的、差し色を効かせる
30代後半〜50代落ち着きと上質さベージュやグレー基調、照度を抑える
ファミリー層安心感と過ごしやすさベビーチェア対応、通路を広めに確保

リフォームを機に客層を変えたい場合は、既存のお客様が離れるリスクもあります。売上構成比の高い層を軸に据えたうえで、新規層に向けた要素を足すという順番で考えると失敗しにくくなります。

撮影したくなる場所を店内に1箇所つくる

仕上がりを撮影してSNSに投稿する流れが定着した今、店内に写真映えするポイントがあるかどうかは集客力に直結します。お客様の投稿が、そのまま宣伝として機能するためです。

  • ロゴやブランドカラーを配した壁面をつくる
  • 髪色が正しく写る演色性の高い照明を当てる
  • 季節ごとに装飾を差し替えられる余白を残す

凝った造作を入れる必要はありません。壁一面の仕上げを変え、そこに照明を1灯足すだけでも十分に成立します。費用対効果が高いのは造作より照明計画だと覚えておいてください。

美容室リフォームで失敗を防ぐ5つの注意点

リフォームには、後から取り返しのつかない落とし穴があります。ここでは特に注意したい5つのポイントを確認しておきましょう。

注意
  • 構造設備を変える場合は着工前に保健所へ相談する
  • 繁忙期を外して工期を組む
  • 既存のお客様への告知は1〜2ヶ月前から始める
  • 見積書の「一式」表記は内訳を出してもらう
  • 動線と通路幅を図面段階で実寸確認する

保健所への事前相談は着工前に済ませる

見落とされがちですが、美容所は美容師法に基づく届出施設です。椅子の配置変更や増改築を行った場合は、変更届の提出が必要になります。変更の規模によっては、新規の開設届と使用前の確認検査が求められることもあります。

自治体の案内でも、構造設備の変更については工事の着工前に図面を持参して相談するよう求められています。
参考:川崎市 美容所の変更

完成後に基準を満たしていないと判明すると、やり直し工事で数十万円単位の追加費用が発生します。図面ができた段階で、管轄の保健所に相談しておきましょう。

繁忙期を避けたスケジュールを組む

美容室の繁忙期は年末年始と3〜4月の異動シーズンです。この時期に休業すると、売上への打撃が通常月の1.5倍以上になることもあります。

比較的落ち着く6月や1月後半を狙って工事を入れるのが定石です。ただし業者側も同じ時期に依頼が集中するため、着工の3〜4ヶ月前には打診しておくとスケジュールを押さえやすくなります。

既存顧客への告知は早めに始める

休業や営業時間の変更は、お客様の離反につながりやすい要素です。告知が遅れるほど「行ったら閉まっていた」という体験を招き、他店へ流れる原因になります。

  • 店内ポスターとレジでの口頭案内を徹底する
  • SNSと予約サイトの表記を同時に更新する
  • リニューアル後の予約を先に受け付ける

工事の様子を発信すれば、リニューアルへの期待感を高める材料にもなります。休業を告知だけで終わらせず、再来店のきっかけとして活用しましょう。

見積書の「一式」表記は内訳を確認する

「内装工事一式 300万円」のような見積書は、何にいくらかかっているのか判断できません。追加工事が発生したときの妥当性も検証できず、トラブルの温床になります。

数量と単価が記載された内訳書を必ず求めましょう。複数社で比較する際も、項目が揃っていなければ金額の差が仕様差なのか単純な高安なのか見分けがつきません。内訳を出し渋る業者は、その時点で候補から外す判断も必要です。

動線と通路幅を図面段階で確認する

セット面を1台増やしたことで通路が狭くなり、かえって作業効率が落ちるケースがあります。図面上は成立していても、実際にワゴンを押して通れるかは別問題です。

スタッフがすれ違う通路は90cm以上を確保するのが目安とされています。図面を受け取ったら、現場でメジャーを当てて実寸を確認してください。受付・待合・カットエリア・シャンプー台・バックヤードの配置順が自然かどうかも、あわせて見ておきたいポイントです。

美容室のリフォーム費用を抑えるコツ

費用を抑えるには、削る場所と残す場所の見極めが欠かせません。予算配分から補助金、税務上の扱いまで、実践しやすい方法を紹介します。

ポイント

費用を下げる近道は「工事範囲を絞る」ことです。そのうえで補助金の活用と相見積もり、税務上の扱いの理解を組み合わせると、資金計画に無理がなくなります。

お客様の目に触れる場所に予算を集中させる

限られた予算で印象を変えたいなら、すべてを刷新する必要はありません。来店客が最初に目にする場所から優先的に手を入れる考え方が有効です。

優先度対象理由
外観・サイン・入口通行客の来店判断を左右する
受付・待合第一印象と滞在中の体感を決める
セット面まわり・照明仕上がりの見え方とSNS映えに直結
バックヤードお客様の目に触れにくい

小規模なサロンで実際に効果が出た内装の工夫は、おしゃれな1人美容室内装の実例とポイントでも紹介しています。

既存設備は年式を確認してから流用する

費用を抑える基本は既存設備の流用ですが、そのまま残して後悔しやすいのが空調です。製造から10年以上経った業務用エアコンは、故障時の入れ替え工事が割高になります。省エネ基準が古く、電気代が新型より高くつく点も見逃せません。

  • 空調と給湯器は製造年を必ず確認する
  • 天井裏や壁内の配管工事は後からだと割高になる
  • ミラーや棚など後付けできるものは工事後でもよい

判断の軸は「後から工事すると割高になるか」です。壁や天井を開ける必要がある設備は今回まとめて、独立して交換できる什器は後回しにする。この切り分けができると、限られた予算の配分が明確になります。

補助金・助成金が使えるか確認する

店舗改装に活用できる代表的な制度が、小規模事業者持続化補助金です。商工会・商工会議所の支援を受けながら経営計画を作成し、その計画に基づく取り組みの経費が補助される仕組みになっています。

補助上限額や対象経費は公募回ごとに見直されるため、申請前に最新の公募要領を確認する必要があります。
参考:中小企業庁 小規模事業者持続化補助金について

注意したいのは、この制度の目的が販路開拓や生産性向上にある点です。老朽化した設備を直すだけの工事は対象になりにくく、新規顧客の獲得につながる改装であることを計画書で示す必要があります。

自治体独自の店舗改修助成制度が用意されている地域もあるため、市区町村の窓口もあわせて確認しておきましょう。

最低3社から相見積もりを取る

同じ工事内容でも、業者によって見積額に数十万円の差が出ることは珍しくありません。下請けに出す層が多いほど中間マージンが乗るため、自社施工の割合が高い会社ほど価格を抑えやすい傾向があります。

比較する際は、金額だけでなく仕様のグレードが揃っているかを必ず確認してください。安い見積もりが、単に安価な床材を前提にしているだけというケースもあります。3社程度に絞り、同じ条件で依頼するのが公平な比較の前提です。

工事費は減価償却で複数年に分けて計上する

資金計画で誤解が多いのが税務上の扱いです。リフォーム費用は支払った年に全額を経費にできるわけではなく、資産として計上し、複数年に分けて償却するのが原則になります。

給排水設備や電気設備は建物附属設備として扱われ、法定耐用年数は原則15年とされています。内部造作は原則として建物本体に含めて償却しますが、間仕切りのように建物附属設備に該当するものは15年で区分して償却します。

賃借物件に施した造作は、契約期間などを踏まえて合理的に見積もった年数を用いるのが一般的です。壁掛けエアコンのように取り外せるものは器具備品として、より短い年数が適用されます。資金繰りと節税効果の見え方が変わるため、着工前に顧問税理士へ相談しておくことをおすすめします。

美容室のリフォーム業者を選ぶポイント

リフォームの成否は、依頼する業者選びで大きく変わります。次の3つの観点から、見極めのポイントを押さえておきましょう。

結論
  • 美容室の施工実績が複数あるか
  • 設計から施工まで一貫して任せられるか
  • 保健所対応や図面作成に慣れているか

美容室の施工実績があるかを見る

美容室にはシャンプー台の給湯能力、毛髪が詰まりにくい排水、大容量の電気設備といった業種特有の要件があります。住宅リフォームが中心の会社に依頼すると、これらの想定が抜け落ちて後から不具合が出ることがあります。

ホームページの施工事例で、美容室・サロンの実績が複数掲載されているかを確認しましょう。可能であれば、自店と近い坪数・予算帯の事例があるかまで見ておくと精度が上がります。

設計から施工まで一貫対応できるか

デザイン事務所と施工会社を分けて依頼すると、窓口が二重になり、不具合が起きたときの責任の所在が曖昧になりがちです。設計費が別途発生するぶん、総額も上がりやすくなります。

一貫対応の会社であれば見積もりが一本化され、仕様変更の反映もスムーズです。初めての改装や、経営と並行して打ち合わせを進める必要があるオーナーには、窓口が一つに絞れる体制が向いています。

保健所対応と図面作成に慣れているか

変更届や確認検査には、寸法の入った平面図や構造設備の概要書が必要になります。この書類作成に不慣れな業者だと、提出が遅れて営業再開がずれ込むこともあります。

問い合わせの段階で「保健所への事前相談は同行してもらえますか」と聞いてみてください。即答できる会社は、美容室の改装を数多く手がけている証拠です。エリアごとの実績は、兵庫の美容室店舗デザイン業者大阪の美容室店舗デザイン業者の記事も参考にしてみてください。

美容室リフォームに関するよくある質問

自宅併設や工事中の営業、届出の要否など、相談の場で特に多い質問をまとめました。

Q

自宅の一部を美容室にリフォームできますか?

A

可能です。5坪前後のスペースを美容室に改装する場合、100万〜300万円程度が目安になります。ただし住居部分と作業場を明確に区画すること、給排水と換気の基準を満たすことが条件です。用途地域によっては店舗利用が制限される場合もあるため、着工前に自治体へ確認してください。

Q

10坪の美容室を改装する費用はいくらですか?

A

壁紙と床の張り替えを中心とした部分改装なら50万〜150万円、既存設備を活かした居抜き改装で250万〜400万円、スケルトンからの全面改装では400万〜700万円が目安です。これに設計費が工事費の10〜15%、什器を新調する場合は100万円以上が別途加算されます。

Q

リフォーム後に保健所への届出は必要ですか?

A

構造設備に変更が生じた場合は届出が必要です。増改築や椅子の配置変更などが該当し、変更の規模によっては新規の開設届と使用前の確認検査を求められることもあります。前述の川崎市の案内と同様に、多くの自治体が着工前の相談を求めているため、図面ができた時点で管轄の保健所に連絡してください。

Q

営業しながらリフォームすることはできますか?

A

部分改装であれば、店内を区切る分割施工や、定休日・夜間への工事集中で対応できるケースがあります。ただし粉じんや騒音への配慮が必要になり、工期が延びて総額が上がることもあります。解体を伴う全面改装では安全確保が難しいため、休業を前提に計画するのが一般的です。

Q

リフォームを検討し始める最適なタイミングはいつですか?

A

開業から7〜10年が一つの目安です。床材やクロスの傷み、設備の故障が増えてくる時期にあたります。着工までは設計と保健所の調整を含めて3〜6ヶ月かかるため、繁忙期を避けたい場合は希望時期の半年前から相談を始めると余裕を持って進められます。

まとめ:美容室リフォーム成功の要点

美容室のリフォームは、「どこまで手を入れるか」を決めた時点で費用の8割が決まります。壁紙と床の張り替えで印象を変えるのか、シャンプー台の位置から見直して動線ごと作り替えるのか。この判断を先送りにしたまま業者に相談すると、提案が発散して打ち合わせが長引きます。

この記事のまとめ
  • 費用は部分改装で坪5〜15万円、全面改装で坪40〜70万円が目安
  • 工事費とは別に設計費が10〜15%、什器代が100万円以上かかる
  • シャンプー台を動かすかどうかが総額を分ける最大の分岐点
  • 構造設備を変える場合は着工前に保健所へ相談する
  • 着工までは3〜6ヶ月かかるため半年前から動き出す

そのうえで見落とされやすいのが、保健所への事前相談と工期の余裕です。構造設備の変更は着工前の相談が求められており、後から判明すればやり直し工事につながります。繁忙期を避けて工事を入れるなら、希望時期の半年前から動き出しておきたいところです。

業者選びで見るべきは、美容室の施工実績と、設計から施工まで一貫して任せられる体制の有無です。給排水と電気容量という業種特有の要件を理解している会社であれば、図面の段階で無理のない計画を提示してくれます。

まずは現地調査と概算見積もりを依頼し、自店の工事がどのタイプに当てはまるかを把握するところから始めてみてください。

【監修者】松岡 祐希

株式会社オールメイク代表。

兵庫県を中心に全国各地の美容室・サロン・飲食店・病院・オフィス・クリニックなど店舗の内装工事をしています。 自社でも運営してる美容サロンなどもあるので、配置含めて設計図のパズルは得意になります。