Blog
2026.10.19
10:16

焼き鳥屋の内装|坪単価20〜60万円の相場とデザイン8つのコツ

「焼き鳥屋を開業したいけれど、内装にいくらかかるのか、どんなデザインなら集客できるのか分からない」と悩んでいませんか。焼き鳥屋は煙と熱を扱う業態のため、見た目だけでなく設備まで含めた計画が欠かせません。

結論から言うと、焼き鳥屋の内装費用は坪単価20〜60万円が目安です。成功のカギは、焼き場を主役にしたレイアウトと、煙を客席に残さない排気計画にあります。

この記事では、焼き鳥屋の内装費用の相場と内訳、追加費用が出やすいケース、デザイン8つのポイント、人気のテイスト、注意したい法規制、費用を抑えるコツと業者選びまで、開業前に押さえたい情報を順に解説します。

目次

焼き鳥屋の内装が集客を左右する理由

焼き鳥屋は競合が多く、味の違いは来店しないと伝わりません。お客様は写真や口コミで店内の雰囲気を確かめてから店を選ぶため、内装が「入ってみたいか」を決める最初の判断材料になります。

お客様は店内の雰囲気で店を選ぶ

焼き鳥屋の内装は、来店前の集客力に直結します。グルメサイトやSNS、Googleマップで店を探す人の多くは、料理写真と同じくらい店内写真を見て「居心地がよさそうか」「誰と行けそうか」を判断しているからです。

実際に、飲み会によく行く全国の30〜50代男性1,023人を対象とした調査では、1軒目の飲食店を選ぶ際に重視する点として「店内の雰囲気」を挙げた人が44.1%にのぼり、「料金帯やメニュー」(62.3%)に次ぐ2位でした。「衛生的なお店かどうか」も29.2%と上位に入っており、雰囲気と清潔感の両方が店選びの基準になっていることが分かります。
参考:株式会社ICA「飲食店選び」に関する調査(2022年11月発表)

たとえば、暗く油汚れが目立つ店内写真は、女性客やファミリー層から候補を外されやすくなります。反対に、焼き場の炎が見えるカウンターや清潔感のある客席は、それだけで来店のきっかけになります。内装は「味を知ってもらう前の看板」と考えて設計しましょう。

焼き鳥屋ならではの内装の特徴

焼き鳥屋の内装は、一般的な居酒屋とは異なる条件を抱えています。特に以下の4点は、デザインと費用の両方に影響する焼き鳥屋特有のポイントです。

  • 焼き手の動きを見せるカウンター席が売上の中心になる
  • 焼き台から大量の煙・油・熱が発生する
  • 壁や天井に油煙が付着しやすく、清掃性が求められる
  • 大衆店から高級店まで、価格帯によってテイストの幅が広い

つまり焼き鳥屋の内装は、「見せる演出」と「煙・油への対策」を同時に満たすことが前提です。この2つを切り離して考えると、開業後に煙のこもりや汚れで雰囲気が損なわれる原因になります。

焼き鳥屋の内装費用の相場と内訳

焼き鳥屋の内装費用は、物件の状態と排気設備の規模で大きく変わります。坪単価の目安から内訳、追加費用が出やすいケースまでを順に確認します。

ポイント
  • 居抜き物件は坪単価20〜45万円が目安
  • スケルトン物件は坪単価40〜60万円が目安
  • 費用の大きな割合を占めるのは排気・空調などの設備工事

居抜きとスケルトンの坪単価の違い

焼き鳥屋の内装費用は、物件が居抜きかスケルトンかで大きく変わります。居抜き物件は前テナントの内装や厨房設備を活用できる分、費用を抑えやすいのが特徴です。一方のスケルトン物件は、床・壁・天井から給排気設備まで一から作るため費用は高くなりますが、レイアウトの自由度は高まります。

坪数居抜き(坪20〜45万円)スケルトン(坪40〜60万円)
10坪200万〜450万円400万〜600万円
15坪300万〜675万円600万〜900万円
20坪400万〜900万円800万〜1,200万円
30坪600万〜1,350万円1,200万〜1,800万円

上表は坪単価を面積に掛けた概算です。高級素材を使うコース主体の店では坪60万円を超えるケースもあるため、あくまで予算を組むための目安として活用してください。スケルトン物件の費用構造はスケルトン物件の内装工事費用の解説でも詳しく紹介しています。

内装費用の内訳と配分の目安

見積もりを正しく比較するには、内装費用の内訳を把握しておくことが大切です。飲食店の内装費用は、一般的に次の4項目で構成されます。

費用項目主な内容全体に占める割合
設計・デザイン費コンセプト設計、図面作成、施工監理10〜15%
内装仕上げ工事費床・壁・天井、カウンター造作30〜40%
設備工事費電気・ガス・給排水・空調・排気ダクト30〜40%
家具・什器費椅子・テーブル・照明器具・看板10〜20%

焼き鳥屋は排気設備の比重が大きいため、設備工事費が全体の4割前後に達することも珍しくありません。業態別の相場や内訳をさらに比べたい方は、飲食店の内装費用の相場と内訳もあわせて確認してください。

費用が膨らみやすい焼き鳥屋特有の設備

焼き鳥屋の見積もりで想定より高くなりやすいのは、焼き場まわりの設備です。特に以下の項目は、物件条件によって金額が大きく変動します。

  • 排気フード・排気ダクト・換気扇:50万〜150万円程度
  • 給気設備・空調:客席の広さや機種で変動
  • 脱臭・油煙除去装置:住宅地や上階テナントで必要になりやすい
  • ガス・電気の容量増設:焼き台の熱源と台数で変動
  • グリストラップ(油脂分離槽):排水設備として必要

とくに排気ダクトは、焼き場から屋外の排出口までの距離や経路で費用が決まります。物件契約の前に、排気経路と排出口が確保できるかを必ず確認しましょう。

追加費用が出やすい4つのケース

焼き鳥屋の内装工事では、契約時の見積もりに含まれていなかった費用が後から発生することがあります。多くは「契約前に見えていなかった部分」が原因です。代表的なケースは次の4つです。

ケース起こりやすい状況事前の対策
排気経路が使えない屋上や外壁にダクトを通せず、経路の変更が必要になる契約前に貸主・管理会社へ排出口の位置を確認
電気・ガスの容量不足焼き台や空調を同時に使うと容量が足りない使用する機器を決めてから容量を調査
解体後に下地の傷みが見つかる床下の漏水や腐食、配管の劣化が判明する居抜き物件は解体範囲と補修の扱いを事前に取り決め
ビル指定の工事が発生する防災設備や共用部の工事を指定業者が行う賃貸契約前に工事区分と指定業者の有無を確認

こうした追加費用に備え、工事費の1割程度を予備費として確保しておくと安心です。あわせて、追加工事が必要になった場合は着手前に金額の承認を取る流れを、契約時に業者と決めておきましょう。

焼き鳥屋の内装デザイン8つのポイント

デザインの出発点は「誰に、どんな焼き鳥体験を届けるか」です。コンセプトを決めたうえで、焼き場の見せ方、動線、熱源、排煙、素材、照明、外観の順に固めていくと、見た目と使いやすさを両立できます。

コンセプトとターゲットを決める

内装づくりで最初に決めるべきは、店のコンセプトとターゲットです。ここが曖昧なまま素材や家具を選ぶと、テイストがちぐはぐになり、誰にも刺さらない空間になってしまいます。

たとえば「仕事帰りの会社員が1人でも立ち寄れる大衆店」なら回転率重視のカウンター中心、「記念日に使える高級焼き鳥」ならゆとりのある席間と落ち着いた照明が向いています。客単価・滞在時間・来店人数の3つを先に決めておくと、レイアウトや素材の判断がぶれません。

焼き場を見せるカウンターを設計する

焼き鳥屋の内装の主役は、焼き場とカウンターです。串が焼ける音や香り、焼き手の手さばきを間近で感じられる席は、それ自体が店の魅力になります。

カウンター席は1席あたり幅60〜75cmを確保すると、隣の人との距離が保たれ窮屈さを感じにくくなります。一方で、焼き台に近づけすぎると熱や煙が客席に届くため、焼き台と客席の間に受け渡し用の段差やガラススクリーンを設けるのも有効です。造作費用は全長1mあたり10〜20万円が目安で、詳しくは飲食店のカウンター費用の相場で解説しています。

客動線とサービス動線を分ける

動線は、お客様が歩く「客動線」とスタッフが動く「サービス動線」を交差させないのが基本です。両者がぶつかると配膳ミスや接触事故が起きやすく、ピーク時の提供スピードも落ちてしまいます。

焼き鳥屋では、串打ち・冷蔵庫・焼き台・盛り付け・洗い場を一直線かL字につなぐと、焼き手が持ち場を離れずに済みます。客席側は、入口からトイレまでの通路幅を十分に取ることが大切です。トイレは女性客やカップルが店の清潔感を判断しやすい場所なので、客席と同じテイストで明るく清潔に仕上げると満足度が上がります。大衆店なら席数を優先して動線を短く、高級店なら通路にゆとりを持たせるなど、コンセプトに合わせて席数と通路幅のバランスを調整しましょう。

焼き台の熱源を先に決める

焼き台の熱源は、内装より先に決めておくべき項目です。熱源によって必要な排気能力、ガス・電気の容量、周辺の耐熱仕上げが変わるため、後から変更すると工事のやり直しにつながります。

熱源特徴内装・設備の注意点
炭火香ばしさと演出効果が高い煙・熱が多く、強力な排気と炭の保管場所が必要
ガス火力が安定し扱いやすいガス配管の延長や容量確認が必要
遠赤外線ムラなく焼き上げやすい機種ごとに設置条件を確認
電気煙が比較的少なく火を使わない200V電源や電気容量の増設が必要な場合がある

なお、炭火の使用はビルの管理規約で制限されている場合があります。物件を契約する前に、貸主や管理会社へ炭火を使えるか確認しておきましょう。

排煙・換気・空調を一体で計画する

焼き鳥屋の居心地を大きく左右するのが、排煙・換気・空調のバランスです。排気だけを強くしても、外気を取り込む給気が足りないと店内が負圧になり、扉が重くなったり煙がうまく抜けなかったりします。

焼き台の真上に十分な大きさのフードを設け、排気量に見合った給気口と空調を組み合わせるのが基本です。オープンキッチンの場合は、煙が客席側へ流れないよう空気の流れを厨房側に向ける設計が欠かせません。住宅地や上階に住居がある物件では、においへの配慮として脱臭装置の設置も検討しましょう。換気扇や室外機の運転音、にぎわう店内の声が近隣に響くこともあるため、防音性のある換気口や防振ゴムの採用もあわせて相談しておくと、近隣トラブルを防げます。

油汚れに強い素材を選ぶ

焼き鳥屋の店内は、どうしても油煙やタレの飛び散りが付着します。そのため素材選びでは、見た目と同じくらい「拭き掃除のしやすさ」を重視することが大切です。

  • 床:耐油性のある長尺シートや磁器タイル
  • 焼き場まわりの壁:ステンレスやタイルなど不燃・耐熱素材
  • カウンター天板:ウレタン塗装の木材やメラミン化粧板
  • 客席の壁:汚れが目立ちにくい濃色の塗装や板張り

木材と鉄、木材とタイルのように異素材を組み合わせると、清掃性を保ちながら空間にメリハリが生まれます。

照明と色で食欲を引き出す

照明と配色は、焼き鳥をおいしそうに見せる重要な要素です。基本は電球色(2,700〜3,000K前後)の温かみのある光を選び、カウンターの手元をダウンライトやペンダントライトで照らすと、串の焼き色やツヤが引き立ちます。

配色は、木の茶色や黒をベースに、赤やオレンジなどの暖色をアクセントに加えると食欲を感じさせる空間になります。使う色を3色程度に絞ると、まとまりのある印象に仕上がります。照明器具は油煙が付着するため、拭きやすく交換しやすい器具を選んでおくと開業後の手入れが楽になります。

外観と看板で入りやすさをつくる

内装と同じくらい大切なのが、通りから見える外観と看板です。初めてのお客様は店の中が見えないと入店をためらいやすく、外観の印象だけで候補から外れてしまうこともあります。

  • 店名と「焼き鳥」の文字が遠くからでも読める看板にする
  • ガラス戸や小窓で店内のにぎわいや焼き場が見えるようにする
  • 暖簾・提灯・照明の色を内装のテイストとそろえる
  • メニューと価格帯が分かる置き看板を出す

看板は夜に目立つよう照明付きにするのが基本です。ただし、屋外広告物条例やビルの規約で看板のサイズ・色・設置場所が制限される場合があるため、デザインを決める前に確認しておきましょう。

焼き鳥屋に人気の内装テイスト4選

テイストは好みではなく、ターゲットと客単価から逆算して選ぶのが鉄則です。下表で4つのテイストの特徴と向いている店を比較し、コンセプトに合う方向性を絞り込みましょう。

テイスト雰囲気向いている店・客層費用感
昭和レトロにぎやかで懐かしい大衆店・幅広い年代抑えやすい
和モダン洗練され落ち着いた20〜40代・女性客・デート標準
純和風重厚で上質コース主体の高級店・接待高め
洋風・ビストロおしゃれでカジュアル若年層・ワイン需要標準

昭和レトロで大衆店の活気を出す

昭和レトロは、焼き鳥屋の王道ともいえるテイストです。提灯や木製の看板、使い込んだ風合いの木材、ホーロー看板などを取り入れると、にぎやかで入りやすい雰囲気になります。

年配の方には懐かしさを、若い世代には新鮮さを与えられるため、幅広い客層を狙う大衆店に向いています。古材や中古の家具を活用しやすく、費用を抑えながら個性を出せるのも魅力です。ただし雑然とした印象にならないよう、清潔感だけは意識して保ちましょう。

和モダンで幅広い客層を取り込む

和モダンは、和の素材と現代的なデザインを組み合わせたテイストです。黒やグレーを基調に、木目のカウンターや格子、和紙の照明などをアクセントとして取り入れます。

落ち着きと清潔感を両立できるため、女性客やカップル、仕事帰りの会社員まで幅広く受け入れられます。既製品の家具でもまとめやすく、費用とデザイン性のバランスが取りやすい点も人気の理由です。

純和風で高級感と特別感を演出する

純和風は、コース主体の高単価な焼き鳥店に向くテイストです。無垢材の一枚板カウンターや左官仕上げの壁、間接照明などで、静かで上質な空間をつくります。

接待や記念日など特別な日の利用を見込めますが、天然素材や職人の手仕事が増えるため費用は高くなりがちです。個室やゆとりのある席間を確保すると、客単価に見合った満足感を提供できます。

洋風・ビストロで新しい層を狙う

近年増えているのが、カフェやビストロのような洋風の焼き鳥店です。タイルやアイアン、ペンダントライトを使った空間は、従来の焼き鳥屋になじみのなかった若年層や女性客の関心を集めやすくなります。

ワインやクラフトビールとの相性もよく、メニューの幅を広げやすいのも利点です。周辺に同じ雰囲気の焼き鳥屋が少ないエリアでは、強い差別化につながります。

焼き鳥屋の内装で注意したい法規制

火と油を扱う焼き鳥屋は、内装の自由度が法令によって制限される場面が多い業態です。着工前に確認しておくべき4つの項目を押さえましょう。

ポイント
  • 建築基準法・消防法による内装制限を守る
  • 保健所の施設基準を着工前に確認する
  • 排気ダクトは清掃できる構造にする
  • 深夜営業や収容人数に応じた届出を行う

内装制限と消防設備の基準を守る

火を使う焼き鳥屋では、建築基準法と消防法による内装制限への対応が欠かせません。内装制限とは、火災時に燃え広がるのを防ぐため、建物の用途や規模に応じて壁や天井の仕上げ材を制限するルールです。

条件によっては、壁や天井に不燃材料・準不燃材料を使う必要があります。木材をふんだんに使うデザインでも、不燃処理された木材や不燃ボードの上への化粧貼りなどで対応できる場合があります。消火器や自動火災報知設備などの消防設備も含め、計画段階で管轄の消防署に相談しておくと安心です。

保健所の施設基準とグリストラップ

飲食店を営業するには、保健所から飲食店営業許可を受ける必要があります。手洗い設備の数や位置、厨房と客席の区画、冷蔵設備などに基準があるため、着工前に図面を持って保健所へ事前相談するのが確実です。

また、厨房排水の油脂を分離するグリストラップ(グリース阻集器)の設置も重要です。東京都下水道局は、事業内容や規模に応じてグリース阻集器を設置し、日常的に清掃するよう飲食店に呼びかけています。清掃しやすい位置に設置できるよう、レイアウト段階で場所を確保しておきましょう。
参考:東京都下水道局 飲食店のみなさまへのお願い

排気ダクトの清掃と火災予防

焼き鳥屋の排気ダクトには、日々の営業で油脂がたまっていきます。ダクト内部に堆積した油脂は、火災時に炎が燃え広がる経路になるおそれがあります。

東京消防庁は、排気ダクトなどの附属設備は人目に触れにくく、油脂が多量に堆積しやすいとして、点検・清掃の要領をまとめたガイドラインを公表しています。内装設計の段階で、点検口の位置や清掃業者が作業できるスペースを確保しておくことが大切です。
参考:東京消防庁 飲食店の厨房設備等に係る火災予防対策ガイドライン

深夜営業と防火管理の届出

内装とあわせて、営業形態に応じた届出も確認しておきましょう。焼き鳥屋で主に必要になる手続きは次のとおりです。

  • 食品衛生責任者の設置(保健所)
  • 防火対象物使用開始届の提出(消防署)
  • 収容人員30人以上の場合は防火管理者の選任(消防署)
  • 午前0時以降に主に酒類を提供する場合は深夜酒類提供飲食店営業の届出(警察署)

深夜酒類提供飲食店営業の届出は、営業開始日の10日前までに行う必要があります。用途地域によっては深夜営業ができない場合もあるため、物件選びの段階で確認しておきましょう。

内装費用を抑えるコツと業者の選び方

焼き鳥屋の内装費用は、物件選びと予算配分で数百万円単位の差が出ます。費用を抑える3つの方法と、業者選びの基準をまとめました。

ポイント
  • 焼き鳥店・居酒屋の居抜き物件を選ぶ
  • 予算は焼き場と客席に集中させる
  • 厨房機器は中古・リースも比較する
  • 施工実績と見積もりの中身で業者を選ぶ

焼き鳥店・居酒屋の居抜きを選ぶ

費用を抑えるうえで最も効果が大きいのは、同じ業態の居抜き物件を選ぶことです。前テナントが焼き鳥店や居酒屋であれば、排気ダクトや厨房の配管、カウンターを活用できる可能性があり、スケルトン物件と比べて数百万円単位で費用を削減できるケースもあります。

ただし、残された設備が使える状態とは限りません。ダクトの汚れや腐食、排気能力が新しい焼き台に合うかを、契約前に内装業者と一緒に確認しましょう。居抜き活用のコツは居酒屋の内装工事費用と削減のコツでも紹介しています。

予算は焼き場と客席に集中させる

限られた予算で印象に残る店にするには、お金をかける場所とかけない場所を分けることが大切です。お客様の目に触れ、満足度に直結するのは焼き場まわりとカウンター、客席の照明です。

反対に、バックヤードの仕上げや収納棚は既製品で十分なケースが多くあります。看板や外観の一部に予算を回し、通りがかりの人の目を引く工夫をするのも一つの方法です。メリハリのある予算配分が、費用対効果の高い内装につながります。

厨房機器は中古・リースも比較する

焼き台や冷蔵庫、製氷機などの厨房機器をすべて新品でそろえると、まとまった初期費用がかかります。中古品やリースを組み合わせると、開業時の支出を抑えられます。

ただし、リースは長期間使うと総支払額が新品購入より高くなる場合があります。中古品も、保証の有無や部品の供給状況によっては修理費がかさむ可能性があります。使用予定年数で総額を試算してから選ぶと失敗を防げます。

施工実績と見積もりで業者を選ぶ

内装工事の金額や仕上がりは、業者によって差が出ます。適正価格を見極めるには、2〜3社に同じ条件で見積もりを依頼し、総額だけでなく中身を比べることが基本です。見積書では、次の費目が含まれているか、別途扱いかを確認しましょう。

  • 焼き台・厨房機器の購入費と設置・接続費
  • 排気フード・ダクト・給気・脱臭装置
  • 空調設備と室外機の設置
  • 給排水工事とグリストラップ
  • カウンター造作・家具・看板
  • 設計費・現場管理費・廃材処分費

業者選びでは、焼き鳥屋や居酒屋など煙を扱う飲食店の施工実績があるかを最優先で確認しましょう。設計から施工まで一貫して任せられる業者なら、デザインと排気計画の食い違いが起きにくく、窓口も一つで済みます。さらに、引き渡し後の不具合に対応する保証期間やアフターフォローの内容まで確認しておくと、開業後も安心して相談できます。

焼き鳥屋の内装でよくある質問

焼き鳥屋の内装について、よく寄せられる質問をまとめました。

Q

10坪程度の小さな焼き鳥屋の内装費用はいくらですか?

A

坪単価から計算すると、居抜き物件で200万〜450万円、スケルトン物件で400万〜600万円が目安です。小規模店は坪単価が割高になりやすく、厨房機器や物件取得費は別途かかります。開業資金全体の考え方は飲食店の開業費用の内訳も参考にしてください。

Q

焼き台は炭火とガスのどちらを選ぶべきですか?

A

香りや演出を重視するなら炭火、扱いやすさと安定した火力を重視するならガスが向いています。炭火は煙が多く強力な排気設備が必要なうえ、ビルの規約で使えない場合もあるため、物件条件とあわせて判断しましょう。

Q

居抜き物件の排気ダクトはそのまま使えますか?

A

使える場合もありますが、現地調査が必要です。前の店と焼き台の種類や調理量が違うと必要な排気能力も変わります。ダクト内の油汚れや腐食、清掃のしやすさを確認し、洗浄・補修・交換のどれが適切かを判断しましょう。

Q

煙やにおいが客席にこもらないようにするには?

A

焼き台の真上に十分な大きさの排気フードを設け、排気量に見合った給気口を確保することが基本です。空気が厨房側へ流れるよう給気と排気の位置を設計し、客席の壁や家具には油煙が付着しても拭き取りやすい素材を選びましょう。

Q

焼き鳥屋の内装工事にはどのくらいの期間がかかりますか?

A

規模や物件の状態によって異なりますが、設計に1ヶ月前後、施工は居抜き物件で2週間〜1ヶ月、スケルトン物件で1〜2ヶ月程度が目安です。排気経路の調整や厨房機器の納期で延びることもあるため、開業日から逆算して余裕を持って計画しましょう。

まとめ|焼き鳥屋の内装は焼き場から考える

焼き鳥屋の内装は、おしゃれな見た目をつくるだけでは成功しません。焼き台の熱源と排気経路を先に固め、そのうえでカウンターや動線、素材、照明を決めていくことで、居心地がよく長く愛される店になります。

この記事のまとめ
  • 内装費用の目安は居抜きで坪20〜45万円、スケルトンで坪40〜60万円
  • 焼き場を見せるカウンターと排煙・換気計画が内装の要
  • 追加費用に備えて予備費を確保し、見積もりの費目をそろえて比較する
  • テイストはターゲットと客単価から逆算して選ぶ
  • 内装制限や保健所基準、ダクト清掃への配慮は計画段階から行う
  • 同業態の居抜きと予算のメリハリで費用を抑える

なかでも排気ダクトや給気の計画は、物件選びの段階から専門家の視点が欠かせない部分です。物件の契約前から内装業者に相談し、焼き場と排煙が成立するかを確認しておくと、追加費用や開業後のトラブルを防げます。この記事のポイントを参考に、コンセプトに合った焼き鳥屋の内装づくりを進めてください。

【監修者】松岡 祐希

株式会社オールメイク代表。

兵庫県を中心に全国各地の美容室・サロン・飲食店・病院・オフィス・クリニックなど店舗の内装工事をしています。 自社でも運営してる美容サロンなどもあるので、配置含めて設計図のパズルは得意になります。